電子化というのは、「お見せする」までが、電子化ですよ
本日は、ユーザーインターフェースについて見てみましょう。
要するに、電子化した新聞を、どのようにお見せしましょうか?という話題です。
まずは、普通のインターフェースの例として、BnFの新聞コーナー*1を見てみましょう。
要素としては、
などです。
さて、この普通レベルのインターフェースの特徴ですが、
(絵を見れば、何の機能かだいたい分かるでしょう)
(ただ、一番右だけ分かりにくいですが、「俯瞰図」のオン/オフ切替です。)
こんな感じの最低限のコントロールを用意して、あとはPDFなどでダウンロードできるようにしておいて、Acrobatの機能に委ねるところです。この方法は、安く出来上がる上、ユーザーもそんなに不満を持たないはずなので、無難な作戦です。
次に、一歩進んだインターフェースの例として、2つご紹介しておきましょう。
一つ目は、すでにご紹介したANDP(http://d.hatena.ne.jp/denshikA/20090828)です。
特徴ですが、ここに表示されている画像は単なる画像ではなく、記事ごとに分割されたメタデータが埋め込まれているものです。なので、右側の画像の上にマウスポインターを動かしてみると、
こんな感じで、そこの「ブロック」の色がちょっと変わります。(ちょっと分かりにくいですが)
一方、左側には、記事の一覧が表示されていて*2、たとえば
この部分をクリックすると、
こんな感じで、右側の画像で該当する部分がハイライトされ、それ以外の部分が暗くなります。さらに、左側には、OCRで読み込まれたテキストが表示されます。*3
正直言いまして、ちょっと扱いにくいけど、アイデアとしては、とっても好きです。
二つ目は、何かとお騒がせなGoogleさんです。
http://news.google.com/newspapers?id=ATwNAAAAIBAJ&sjid=CW4DAAAAIBAJ&pg=1808,348208へ行って、
左上の「Le Courrier - 21 May 1990」という部分をクリックすると、上の写真のように全体表示になります。
このGoogleさんの特徴は、
このように、見出し部分にマウスポインターがくると、色が変わります。そして、そこをクリックすると、
こんな感じで該当部分がアップにされて、右側の俯瞰図に、該当部分がハイライトされます。
余談ですが、Googleさんは、見出し部分を自動検出しているようですが、たまにしくじって、
こんな感じで、広告部分の大きな文字を見出しと思ってしまうようです。
このように、ANDPやGoogleのようなインターフェースを採用する場合、メタデータ作成工程と費用が余分に必要です。前*4にもお話しましたが、新聞電子化というのは、まともに行えば、記事ごとに分割をする工程をはさみます。なので、通常は、インタフェースを作成したりする費用が捻出できれば、可能となります。
という感じで、インタフェースには、最低でも2段階あり、
- もし予算がなければ、最低限PDFでダウンロードできるようにしておけばよいですし、
- もし予算があるなら、記事ごとのハイライトなどの機能を付加する
という状況です。