グレースケールとSSIM
本日のお題画像:
引き続き、SSIM関連で行きましょう。
まず、この二つの画像を見てください。
くだらん説明をするな、と怒られそうですが、左がカラー画像で、右がグレースケール画像です。グレースケールというのは、要は、モノクロです。
グレースケールというのは、データ圧縮の手段の一つです。なぜなら、カラー画像というのは、赤、緑、青の3種類の情報が必要なのですが、グレースケール画像は単に1種類の情報だけでいいからです。つまり、単純に考えて、情報量が1/3に圧縮できるわけです。その分、色に関する情報が落ちてしまうので、味気ないですが。
ところで、カラー画像をどうやってグレースケール画像に変換するのか、という点で、ひと悶着あります。シンプルに言ってしまえば、
赤と緑と青の内輪もめで、みんなを平等に扱うのか、それとも優劣をつけるのか、という「まことに人間臭い骨肉の争い」
です。
さっそく、比較してみましょう。
元画像 みんな平等 優劣つけた
みんな平等に扱うと、赤と緑と青の区別がなくなりますので、こちらはわかりやすいですね。
優劣をつけた画像ですが、慣習にしたがって、
- 赤の発言力:30%
- 緑の発言力:60%
- 青の発言力:10%
としてあり、発言力が強いほど白っぽくなり、弱いほど黒っぽくなります。
そのほかに、どのような割合があって、どのように結果に影響するのか、ということはこちらをご覧ください。
http://ofo.jp/osakana/cgtips/grayscale.phtml
最後のほうに、比較表が出ていて、とても分かりやすい、と思います。個人的には、右側の赤毛が好みです*1。
さて、本日のお題画像に戻りましょう。
この画像を、グレースケールにしてみると、どんなことになるか想像してみてください。
結果は、http://denshika.cc/grayscale.phpをご覧ください。
最後に、このグレースケールの話が、どのようにSSIMと関係しているのか、お話しましょう。
前々回に、SSIMの計算方法を見てみました。http://d.hatena.ne.jp/denshikA/20091115
そのとき、
3.各ピクセルのRGBの値から、Yというものを計算します。
と書いたのですが、覚えていますか?
この部分で、グレースケールとSSIMが絡んできます。いろんな方法があるので、好きにやっていただければいいのですが、カラー画像のSSIMを測定する場合、何らかの形でグレースケール変換っぽいことをしなくてはいけません。どうやって変換するのか、という点で、やはり、ひと悶着あるわけです。すでにご察しの通り、
赤と緑と青の内輪もめで、みんなを平等に扱うのか、それとも優劣をつけるのか、という「まことに人間臭い骨肉の争い」
なんです。
というわけで、次回は、カラー画像SSIMについて、もう少し科学っぽく見ていきましょう。
*1:って、その比較ではありませんでしたね。