リボン・スキャニングが持ち込んだ「新しい土俵」 その1
本日のお題:ないものは見つからない
さて、リボン・スキャニングについて、概要はご理解いただけたことでしょう。
もし、なじみがなければ、以下を先にご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/denshikA/20100517
http://d.hatena.ne.jp/denshikA/20100518
http://d.hatena.ne.jp/denshikA/20100520
http://d.hatena.ne.jp/denshikA/20100525
これから、リボン・スキャニングが持ち込んだ「新しい土俵」について、いくつか紹介していきたいと思います。
ちょっと復習から始めます。マイクロフィルムをスキャンすると、こんな感じの画像が取り込めますね。
コマの自動検出がうまく機能したとすると、こんな感じになりますね。
そして、コマの自動検出をしくじると、こんな感じですね。
さて、応用に行きましょう。
もし、コマの自動検出をこんな感じでしくじると、どんなことになると思いますか?
こうなるのは、予想できますよね。
そして、ここから先は少しヤヤコシクなっていきますので、ゆっくり進んでください。
リボン・スキャニング以前の検査方法では、出来上がった画像を見ていきます。
なので、このような画像を検査していれば、「あれっ、3番目の画像がおかしいぞ!」と気付くわけですね。それで、再スキャンへ回すことが可能なわけです。(こちらを検査Aと名付けておきます。)
ところが、
このような画像を見ていても、一体どこが異常なのか分からないですよね?(こちらを検査Bと名付けておきます。)
もうすでにお分かりだと思いますが、最初の検査Aは、こちらのコマ検出ミスに該当しますね。
そして、次の検査Bは、こちらのコマ検出ミスに該当しますね。
つまり、リボン・スキャニング以前の検査方法では、「コマの抜け」に関しては、かなり無力だったんです。
ところが、一方、
リボン・スキャニングでは、
このような状態で検査していきますので、「コマの抜け」に関しても、ちゃんと検査できて、「おいおい、なんだよ、ここの部分で、コマ抜けになってるじゃないか」と気付き、その場で、コマ枠の修正ができるのです。
本日のお題にもある通り、「(そもそも画像として)ないものは(その異常性すら)見つからない」わけです。
というわけで、リボン・スキャニングが持ち込んだ「新しい土俵」その1として、
マイクロフィルム上のコマを全て電子化できているかどうか、という網羅性において、リボン・スキャニングはとっても優れた、新しい方法を持ち込んだんですよ
というものを挙げておきます。